第151回昭和の森自然観察会「昭和の森の地形を観る」
開催日 2004年7月11日(日)
講 師
千葉県立中央博物館 大木淳一氏
担当指導員 石嶋基次
7月の昭和の森自然観察会は地形の観察会です。講師に中央博物館の大木淳一氏をお招きし、“見て!さわって!昭和の森の生い立ちを探ろう”をテーマに、大勢の参加者の皆さんが古代へのタイムスリップを楽しみました。最初に千葉市内で標高が一番高い(101m)展望台に上り、眼下に広がる丘陵地から九十九里浜平野・太平洋に至る雄大な景観に眼を奪われました。すばらしい景観を満喫した後、大木講師より昭和の森の地形全般について説明を受けました。目の前に広がるパノラマの他に、昭和の森周辺の地形の模型などによる判りやすい説明です。“昭和の森の地形の特徴の一つは台地と丘陵の地形の逆転です”との説明を受けました。目の前に高さ200〜300mの丘陵がそびえていたその昔の景色を想像し、自然の造形の偉大さ不思議さを垣間見た気分になりました。
さて、つぎは大木講師の説明を自分の目・手で実感する番です。今回の観察ポイントは従来の小中池への道端の崖ではなく、昭和の森に隣接する八幡神社への参道周辺です。切り通しの参道を下るに従い、最初の観察は赤土の関東ローム層です。
“このきめ細かな粘土が雨水に対し傘の役割りを果たし、その下の比較的水を通しやすい地層との二つの要因が重なり地形の逆転を生み出した”との説明を、地層を自分の手で触り実感し納得してもらいました。しばらく下ると砂層の中に貝化石の層が白く見えました。約10万年前の笠森層との説明に、いま立っている所はその当時の海の底であり、どんな海だったのかなあ?と参加者の皆さん一人一人がその昔にタイムスリップし、想像の世界を楽しんだことでしょう。
下の写真は大木講師作成の昭和の森の地形観察ガイドです。夏休みに是非昭和の森で地形について観察し、タイムスリップを楽しんでください。
(参加者 大人41名 こども11名 計52名 指導員19名) 報告者 小西博典